板垣退助所持刀『二代目和泉守兼定（之定）』土佐山内家拝領 三つ柏紋金具拵付属 本阿弥光瞭添状・極札 得能一男鑑定書 乱刃出来の傑作刀の落札結果

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板垣退助所持刀『二代目和泉守兼定（之定）』土佐山内家拝領 三つ柏紋金具拵付属 本阿弥光瞭添状・極札 得能一男鑑定書 乱刃出来の傑作刀

和泉守兼定（之定）は古刀最上作で最上大業物に指定された名工です。
同時代の孫六兼元と美濃鍛冶の双璧として活躍しました。
定の字のウ冠の中を「之」と切る事から「之定」と呼ばれています。
之定は華やかな刃文を焼き、変化があるのが特色で地鉄の鍛えも
抜群に優れています。古刀期において数少ない受領「和泉守」を
許された刀工です。古来の刀剣書においても上手と絶賛されています。
この刀は鎬造、庵棟、身幅広く、重ね厚く、反り深く、先反りつき
切先は中切先が延びごころとなり、豪壮で物斬れしそうな鋭い刀姿をしていると思います。
鍛えは板目肌が総体によくつんで、地沸が細かによくついて、地景入り、わずかに
白けごころがあります。美濃物の上位工らしい鍛えになっていると思います。
刃文は互の目に丁子が交じり、焼き高く華やかに乱れ、足が入って、小沸よくつき、
所々強めの沸を交え、細かな砂流し金筋がかかり、匂口が明るく冴えています。
帽子はのたれて地蔵風となり先が掃きかけて返っています。茎には和泉守
兼定作（之定）の銘と永正二年八月日の裏年紀があります。美しい刃文を焼き
上げた之定の特徴をよく示した素晴らしい出来栄えの一振りであると思います。
板垣退助は土佐藩士で明治維新の英雄、元勲であり、のちに自由民権運動や帝国議会の
設立、近代的な陸軍の整備などその功績は計り知れません。憲政の偉人という事で
100円札に国会議事堂とともにその肖像が用いられていました。
昭和初期に活躍した鑑定家の一人である本阿弥光瞭の極札と添状が付属しています。
添状には板垣退助が山内家より拝領したという伝来が書かれており、退助の嫡男である
鉾太郎宛に発行されています。昭和から平成に活躍した研究家であった
得能一男の鑑定書が付属しています。うぶ出し品です。主観となりますが
研ぎの状態は鑑賞において大きな妨げとなるような物はないと思います。
拵は山内家の三つ柏紋を使用した金具になっています。鑑定書によると拝領当時の
物という事が書かれています。鞘は青貝微塵塗。縁頭は四分一地に唐草と三つ柏紋、
毛抜形の目貫も三つ柏紋で金地の可能性もあるかと思います。鍔は鉄地で波紋と
縄と錨図かと思います。山内家から板垣退助に贈られた内外ともに素晴らしい
作であると思います。

長さ/69.4cm　反り/2.1cm
元幅/33.0mm 元重/7.6mm 先幅/23.5mm 先重/6.5mm 刀身のみの重量815g
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