1670年前後に肥前有田で制作され、伊万里港から 海外へ輸出されたものの里帰り品と考えられます。
当時ヨーロッパではコーヒー碗または茶器には受 皿が付いていませんでした。受皿を肥前有田で世界 に先駆け制作し、ヨーロッパへ輸出され普及されま す。それ以降に中国でコーヒー碗に取っ手が付きま すが、未だそれが制作される以前の、江戸延宝期前 後に製作された非常に貴重なカップ&ソーサーのセット です。
さらに、興味深いのは、中国の年号名をそのまま 銘に描いていた有田の職人が、独自の銘として生み 出したのがこの宜明の銘とも言われ、その面からも 非常に興味深い作品とも言えそうです。
そして、極め付けはその染付けの状態の良さ、そ してその描かれた人物等の多彩で生き生きとした見 事さです。まさに大皿における人物描写すら想像で きるような、小さなカップ&ソーサーの世界に見事 に描き切っているのが分かります。
小さくとも、非常に貴重な作品かと思われます。 どうぞお手元にいかがでしょうか。完品。木箱付 属。
小皿(ソーサー)
口径 約12cm 高さ 約2.7cm
碗(カップ)
口径 約7cm 高さ 約5.0cm