南米大陸の東部一角はブラジルの五つの州、北から南の順でリオ・グランデ・ド・ノルテ州、パライバ州、ペルナンブコ州、アラゴアス州とセルジペ州が占め、大陸最東端はブランコ岬はパライバ州都ジョアン・ペソアに位置します。 北の偉大なる川を意味するリオ・グランデ・ド・ノルテ州はブラジルの東北の沿海部に位置し、名前の由来である広いポテンジ川が流れ、河口に位置する州都ナタールで大西洋に注ぎ入ります。南米大陸最北東端のリオグランデドノルテ州は金融、運輸など様々な分野において重要な地理位置を占め、そして鉱物の世界においては名高いシアンラインタイプユークレースを産出するほか、含銅エルバイトつまりパライバトルマリンはブラジル国内ではパライバ州とリオ・グランデ・ド・ノルテ州のみ産出されます。リオ・グランデ・ド・ノルテの場合は主に南部のパライバ州との州境に位置するアルト・ドス・クイントス地域とパレリャス地域からパライバトルマリンが採掘され、パレリャスという名前は19世紀中頃にこの地域に盛んで行われたスポーツ競技の一種から由来するとされます。騎手たちは二人を組んで競馬を行い、賞金を狙って集まる周辺の住民はついこの地域をポルトガル語ではペアやカップルを意味するパレリャスと呼ばれ、そして地域の名前として定着しました。現在では2万人ほどの人口を持つパレリャス町東北部郊外の山地にはカポエイラと呼ばれるペグマタイト鉱脈(画像8)が存在し、ブラジル産燐灰石の稀な青い結晶を産出する古典名産地として知られ、また1998年に同鉱脈にてパライバトルマリンが発見され、現在ではパライバトルマリンの採掘に特化したブラジル・パライバ鉱山(ブラジル・パライバ社→https://brazilparaibamine.com/en/home/)として稼働し、往年の美しいブルーアパタイトの流通は限られています。こちらの標本はパレリャス町郊外に位置するカポエイラ地域からの採掘され、ブラジリアン弗素燐灰石にして特に得難い青く発色する古典群晶標本,、カナダのコレクターであるバドマン氏から引き継いだファインサムネイルコレクションからの一点、シャープな結晶形態、しっとりとした強烈な硝子光沢と一部カット品質に達した宝石質の三拍子揃った高品質群晶は特に注目すべき、パライバ州との州境に位置する名高いパライバトルマリンの産地でもあるパレリャスへのイメージに相応しい美しい紺青の色調に呈し、ブラジリアン弗素燐灰石にして特に得難い青く発色する古典極美群晶標本です。ほぼ3センチに達した標本はご覧の通り複数の透明な大結晶によって構成され、宝石結晶ならではの美しい存在感を放ちます。一枚の標本に奇しくも二種類の結晶形態、カットされた宝石のような極めて端正でシャープな六角短柱状のメイン大双晶(画像1)と周りに共生する柱面のない六角薄片状結晶(画像7)が同時に確認でき、六角薄片状結晶の方は弗素燐灰石の仮晶として成長した水酸燐灰石ヒドロキシアパタイトの可能性があると推測できます。すべての結晶はしっとりとした強烈な硝子光沢にコーティングされ、ほぼ対称な図形として晶出する小面(画像1)から幾何学的で無機質な結晶美を強く感じさせ、UVライトで結晶外周部は青白く、コアは若干オレンジの奇妙な強蛍光(画像5,6)を放ちます。注目すべきメイン大双晶の内部の広い範囲はカット品質に達した高透明度の宝石質(画像1,3,4)に満たされています。最も特筆すべきことはやはり名高いパライバトルマリンの産地でもあるパレリャスへのイメージに相応しいこの格式の高い紺青の色調で、ブラジリアン弗素燐灰石にして特に得難い青く発色する古典極美群晶標本です。オリジナルラベル、専用展示台が付属致します。
この度、コレクション整理のため出品いたします、この機会を是非お見逃しなく。
注意事項
※写真は白熱灯/UVライト環境で撮影しております。
※天然石のため、多少のヒビや欠け等のダメージがあります。
※お使いのモニターにより写真と実物で色が異なる場合がございます。
※サイズや重量に若干のズレがある場合がございます。
※台座やミネラルタックは付属しません。
不明点につきましては、ご購入前にご確認をお願い致します。