江戸川乱歩
明治27 年に三重県で生まれる。本名は平井太郎。雑誌編集や新聞記者などを経て、大正12 年に雑誌『新青年』にて『二銭銅貨』でデビュー。以降『D坂の殺人事件』や『心理試験』などの探偵小説を発表したほか、『屋根裏の散歩者』や『パノラマ島綺譚』、『人間椅子』などの幻想・怪奇小説、児童向けの「少年探偵団」シリーズでも優れた作品を生み出した。なおペンネームである「江戸川乱歩」は、敬愛する作家「エドガー・アラン・ポー」に由来する。
“日本で初めての本格的創作探偵小説”と称された『二銭銅貨』でデビューした乱歩。以降も本格推理小説の探求にその生涯を捧げ、昭和22 年には「日本推理作家協会」を結成するなど、日本探偵小説の発展に貢献した。
探偵小説のほかにも、耽美的な幻想・怪奇小説や、官能的でグロテスクな猟奇ホラーなども手掛けた乱歩。乱歩の「うつし世はゆめ、よるの夢こそまこと」という言葉のように、魅惑的で甘美な虚構世界を描きだした。
日本を代表する名探偵・明智小五郎のほか、児童向け作品「少年探偵団」シリーズでは、ダークヒーロー「怪人二十面相」や、明智小五郎の助手として登場した「小林少年」など、数々の名キャラクターを生み出した。