長岡鉄男氏考案のダブルベースを、ソニーのSS‐MD77のウーファーとエンクロージャーを流用して作ってみました。
エンクロージャーは側板がホモゲンホルツで作られてます。バッフルと裏板は新たに12mm厚の杉の無垢材)で造りました。長岡氏のオリジナルのダブルベース・ミニが2.6リットル・バスレフに10cm2個、ダブルベースが35リットルに20cmが2個なので、間を取ってダブルベース・ミディとしました。
前の16cmフルレンジは、珍しいTENBOX(FUJITSU)製。コルゲーション2本入った紙製、センターキャップは金属製から取替えた樹脂製、エッジは布製で劣化の心配はありません。小さなホールが有ったので補修してあります。マグネットは径75mm厚さ10mmのフェライト・マグネット、インピーダンス4Ω、最大入力は10Wです。
後の16cmウーファーがオリジナルのソニー製。コーン紙は紙製、センターキャップも紙製、エッジは布製で劣化の心配はありません。マグネットは径70mm厚さ15mmと径64mm厚さ10mmのダブル・フェライト・マグネット、インピーダンス6Ω、最大入力はシステム120Wとなっています!
シリーズ接続し、システムインピーダンスは10Ωです。吸音材は2面のみ、ターミナルの間の接続はオーディオテクニカの9AWGもの超極太AT6138で繋ぎました。
試聴では、ペダルトーンで埋め尽くされているJ.S.バッハのペダル練習曲BWV598(手持のテストCD;トン・コープマン:1734年製ミュラー・オルガン;アムステルダム;最低音36Hz)を、見事なバランスで鳴らしました。この曲は勿論足鍵盤の練習用でもありますが、当時最高のオルガン・コンサルタントでもあったバッハが、すべてのパイプがちゃんと鳴っているかどうかのチェックをするための曲でもあり、スピーカーにとっては、低域に変なピークやディップがないかどうかのテストとしても使える便利な曲です。もちろん変なピークやディップはありません。
本格的試聴では、J.S.バッハの前奏曲とフーガハ短調BWV546(手持の最強テストCD;トン・コープマン:ミュラー製作オルガン1734;最低音32Hz)の最初のCのロングトーンを、スワンクラスの大音量でもしっかり鳴らし切りましたが、途轍もなく高能率とは言えません。
バッハの最高傑作、前奏曲とフーガハ短調BWV548(手持のテストCD;トン・コープマン:1692年製シュニットガー・オルガン;フローニンゲン:最低音36Hz)の方は、更なる大音量でも見事に鳴らし切りました。
オーケストラは準指向性の効果もあり、見事な音場感です。
外観は欅ニス仕上げで遠目には概ねキレイですが、シートを剥がした部分はイマイチです。
重さ4.7kg、サイズは43×22×23cmです。