繭から糸をとる途中で切れてしまったり、糸の太さが不揃いになってしまったり、繭そのものの出来がよくなく、うまく糸を紡げなかったりすることがあります。
そういうものは「くず」として処理され、織の工程に行く前に除けられるのですが、絹は高価ですからモッタイナイ・・・ということで、そのような「くず糸、くず繭」を加工し、撚って繋いであとから一本の糸に仕立て上げ、織の工程に回す・・・ということを行うわけです。見かけは一本の糸ですが、糸の途中途中が繋がっていない紡(つむ)いだ糸なので「絹紡糸(けんぼうし)」などと呼びます。多少毛羽立っているので、滑りにくく、柄糸に適しています、
現代では手間がかかり、希少な柄糸と言えます。糸の成分はあくまでも「絹100%」・「正絹」です。