¶ SEIKO LORD MARVEL 36000(ロードマーベル) 23石 稼働品 10振動 36.000回転 SGP 5740‐8000 手巻き BEAR製新品風防 新品黒革ベルト¶
この時計のコンディション(赤字=美点)
◯リューズを巻くことができ、また引いて時刻の変更が可能な事を確認しています。2時間の稼働と1時間の精度(+3秒)は確認しましたが、24時間の稼働は確認しておらず、落札後の動作・精度を保証するものではありません。
◯新品風防・文字板も綺麗です。
◯BEARの新品型押し黒革ベルトに金尾錠です。【BEARはお洒落なベルトデザインでラグ幅もピッタリですが、このベルトは腕周りが少し短くて18cmが限度です。それ以上の腕周りの方は落札当日中にご連絡いただければ他の新品黒革ベルト(画像4下段参照)に交換します。ラグ幅は1~2mm細くなります事ご了承下さい。BEARのラグ幅20mm:4下段のベルトは18mm 】
◯裏蓋表記も残っています。
◯36000回転・10振動ならではのなめらかな運針を是非ご堪能下さい。
この時計の歴史(薀蓄)
「ロードマーベル36000」が発売されたのは1967年(昭和42年)3月です。国産初の“10振動機械”が搭載された製品になります。
ここに辿り着くにあたり、国産高振動機械の開発背景に“諏訪精工舎”においても、ニューシャテル・ジュネーブ天文台コンクールに出品するべく、10振動機械の開発が行われていました。1964年頃から開発に着手され、数個体の試作の後、「S-36」と称されたその機械は、両天文台共通の「クロノメーター」規定容量【直径30㎜もしくは707平方㎜以下】の中で、亀戸の「タマゴ」とは形状を異にし、「長方形」で四隅が丸くなった機械です。輪列は基本的な小型二針型を踏襲していますが、超大型の香箱と高振動テンプとの干渉を避ける為、最終的に「長方形」となり、テンプ受けも片持ち式からブリッジ式に変更されたとのことです。20振動(毎時72000振動)機械も製作されましたが、コンクールへの出品はありませんでした。そして、ニューシャテルコンクール中止の1968年、ジュネーブコンクールにおいて、「総合腕クロノメーター」部門4位~10位を独占(1位~3位は水晶式の為、機械式では実質の1位)、調整者賞を「稲垣篤一氏」他、2名の方が受賞されました。先鋭的な亀戸「052」の設計思想に対し伝統的な手法を踏襲しつつも、ヒゲゼンマイの内側曲線の調整を含め、神業ともいえる調整技術と堅実な設計思想が、国産初の市販型高振動機械の開発・製造の原動力となったと考えられています。
さて、「ロードマーベル36000」のムーブメントですが、地板のサイズは「5740系の(LMK)“2代目規正付きロードマーベル”」を踏襲し、12型になっていますが、高振動化に対応された新設計が随所になされており、従来のクラウンタイプの機械とは一線を画す新機械であると言えます。まず、ガンギ車の歯数が15枚から20枚に増え、四番車の歯数も80枚から88枚に変更されています。最大の特徴であるテンプの直径も小さくなり、振幅の高振動化にも安定した振りを保てるよう新設計がなされています。石入りの箇所は、LMKと同じで、23石の機械のみですが、爪石部分の食い合わせが若干浅くなり、標準振動系に比して強大な張力を持つゼンマイの力が集中しすぎないようになっています。微動緩急装置は、5740Bと同じ“歯車式”(緩急範囲1ピッチ≒4.4秒)が踏襲されています。秒針規正装置は、LMKとは異なり付加されていません。本来であれば、クロノメーター級精度の優秀な機械であるのに付加されなかった理由としては、従来同系の規正装置は、四番車の歯車を規正レバーの爪で止める方式がとられてきましたが、高振動化に伴いピッチが細かくなった上、強大なトルクのかかる部分を強制的に止める方式は耐久性に問題が生じる恐れがあると判断されたものと思われます。キャリバーナンバーは三番受に刻印されています。仕上げ等もLMKと同じくシンプルな仕上げです。
文字板は12時下には“SEIKO”と植字で入っています。字に関しては、棒文字と全数字タイプのみとなっており、ケースの色に合わせ色調は、白・金色文字板の2種類で、字との組み合わせで合計4種類が確認されています。
針は少し細身の山型菱剣で、特徴としては、山の部分に黒線があります。これは字と“共仕上げ”で認識性の向上が図られています。尾の部分は後端が少し丸く仕上げられた独特の形状をしています。
ケースはSS側とSGP側があります。貴金属側は確認されていません。ケースナンバーは、“8000”のみで、デザイン的にもLMKからの踏襲がなされています。裏蓋はスクリューバックで防水型になっており、非防水ケースはありません。この時計はSGPケースのバーインデックスになります。
“ロードマーベル”という製品に関して、諏訪精工舎は特別なこだわりを持ち続けていたように思います。初代ロードマーベル発売の1958年から、ロードマーベル36000製造完了の1978年まで、約20年という長期間、機械の変遷はあったにせよ“手巻き式”にこだわり続け、グランド・キングなど他の高級品が自動巻等に姿を変えてゆく中、一線を画し続けたのは、諏訪一丸となって作り上げた“国産初の高級腕時計”に対する自負と思い入れの他はなかったのではないかと考えられます。ロードマーベル系列の有終の美を飾るに相応しい最高性能の機械を搭載したその姿は、国産腕時計では数少ない“伝説を纏った名機”と呼べる製品です。
・1967年(昭和42年)製造開始 ・諏訪精工舎製 ・SGPケース裏蓋ステンレス(SGPの当時の販売価格は14,000円でした。) ・23石・手巻き ・プラスチック風防 ・Cal.5740C ・12型ムーブメント・毎時36000振動 ・スクリューバック ・微動緩急装置
サイズ
直径 37.5mm(リューズ含む)
ラグ幅 19.5mm
◆時計は精密機械で壊れ物なので、衝撃がかからないようプチプチで包んだものをクリックポスト専用新品ダンボールで発送しています。専用ダンボール代とクリックポストの料金をあわせて全国一律200円が送料となります。同梱は基本同日落札分とし、箱に収まる限り何点落札されても送料は200円です。原則、落札の翌日には発送致します。【ただし、複数落札や時計のサイズの関係で専用段ボールではなく、大きめの使いまわしの箱を利用することもありますので、あらかじめご了承下さい】
◆補償が必要とお考えでしたらヤフネコ!(宅急便)をご利用下さい。宅急便の場合は基本使いまわしの箱となり、宅急便での同梱の場合なぜか理由はわかりませんが当初の宅急便料金より少し高くなります。(同梱でもクリックポストでしたら何点同梱しても200円で変更はありませんので、こちらをお勧めします)
◆残念ですが心無い入札者が稀にいらっしゃいます。申し訳ありませんが悪い評価が多い方の入札は当方の判断で【入札者の取り消し】をさせて頂く場合があります。また、新規の方の未納確率があまりにも高いので新規の方はお断り致します。(どなたも一回目の取引はあるのは理解していますが、恐らく一回の捨てハンで迷惑行為をあえてするのが目的の方がおられます)
◆万一、何らかの不具合があった場合、簡単な修理であれば対応は致しますが、こちらへの返送料金はご負担ください。また、当方喫煙者なのでタバコ臭があるかもしれません。予めご了承ください。