20240503 - 仏領インドシナ 1897年 フランス軍トンキン遠征軍差出し無料軍事郵便~LANG-SON (諒山)駐屯地承認印押
1889年のインドシナ連邦成立後も、更なる領地拡大・平定を求めて同地に派遣されていたフランス遠征軍将兵の本国宛郵便は一部無料扱いが続いていました
本品は1897年トンキン地方の中国国境付近ランソンからパリに差立てられた無料軍事郵便カバーです
ランソン駐屯地指揮官の承認印が押されていますが、地名を漢字でデザイン化した各部隊独自独特の印が使用されています
またランソンの日付印に加えて、その横にはトンキン遠征軍の軍事郵便局印(日付なし)と正規営業中のランソン郵便局日付印が押されています
一方で仏印派遣海軍の部隊印は単純な錨マークの円形印が多かったため、派遣部隊ごとに独自のデザインに様々な書体の漢字地名を組み合わせて作成された陸軍の部隊承認印入りカバーは人気のある収集対象となっています
またこうした「漢字入部隊印」は、侵攻駐屯地の地名がかつてはすべて漢字表記されていたことをあらためて思い起こさせてくれると同時に、侵略側のフランスが軍事関連印に現地文字を活用していたこともわかる興味深いアイテムだと思います
軍事郵便承認部隊印
「第壹地轄 / 兵官統営 / 諒山 1 erTERRITOIRE MILITAIRE LANG-SON」
LANG-SON 11 JUIL 97 TONKIN 差出印
CORPS EXPEDIT_RE TONKIN 軍事郵便局印
BESANCON 6 AOUT 97 DOUBS 到着印
GENEUILLE 6 AOUT 97 DOUBS 転送到着印
* 封筒下部が開封時に少し破れていますが、破損はすくなく状態の悪くないカバーです