Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの落札結果
新品送料無料


Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの商品画像

Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの画像1
Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの画像2
Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの画像3
Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの画像4
Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの画像5
Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの画像6
Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの画像7
Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの画像8
Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの画像9
Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの画像10

Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの画像1
Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの画像2
Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの画像3
Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの画像4
Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの画像5
Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの画像6
Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの画像7
Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの画像8
Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの画像9
Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの画像10

Masashi Takata 2023 / No.61 - Antonio de Torres 1856 / FE04 La Leona & Coffin Caseの商品説明



Antonio de Torres 1856 - FE04 La Leona model


*


アントニオ・デ・トーレス 1856年 La Leona(FE04)モデルです。La Leonaは、トーレスが遺した作品の中で最も特異な構造を持つギターであり、トーレスが考案したとされるアイデアが全て詰め込まれた異色のギターです。弦長は649mm。これは私が製作した61作目のギターです。

表板はジャーマン・スプルースです。La Leonaの表板に於ける注目すべき点は、金属製のトルナボスと横向きの響棒です。トルナボスは、サウンド・ホールの内側に取り付けられる円錐形の筒で、真鍮板で作られています。横向きの響棒は、建物で言うところの“梁”のようなもので、通常はサウンド・ホールの上部と下部に一本ずつ接着されます。しかし、La Leonaの場合、下部の響棒が表板に一切接しておらず、高音側と低音側の横板を橋渡しするように設置されています。おそらく表板の自由な振動を想定したのだと思われますが、このままでは弦の張力によって表板が沈み込んでしまうかもしれません。その為、トルナボスと裏板の間に二本の支柱を立て、表板の陥没を防いでいます。この支柱は、ヴァイオリンで言うところの魂柱のような役目を果たしている可能性もあり、材質や寸法、設置する位置を変えることで音色をコントロールできるかもしれません。現在の支柱はジャーマン・スプルース製です。

ロゼッタはいくつかの装飾線で構成された極めてシンプルなデザインですが、トーレスの美学を感じさせる美しいデザインです。この楽器に使用した装飾線は全てローズウッドとメープルの厚板から鋸で切り出し、一本ずつ手作業で厚みを調節しています。私は定規で引いたような正確な装飾線よりも、筆で描いたような温かみのある装飾線が大好きです。出来合いの材料を使用すれば作業時間を数十分の一に抑えることもできますが、そこに魂を宿す自身はありません。

裏板と横板はインディアン・ローズウッドです。裏板中央の継ぎ目の補強には、トーレスの楽器にも頻繁に見られる亜麻布を使用しています。ギターの薄い響板は湿度に応じて常に膨張・収縮を繰り返していますので、木片で強固に補強するよりも、柔軟な布の方がむしろ割れの防止に繋がるのではないかと思います。バインディングはメープルで、以前製作した楽器の端材を使用しています。

ネックはセドロで、指板は黒檀です。オリジナルのLa Leonaと同様、指板は、サウンドホールに向けてかなり薄く加工しています。フレットは、1~12フレットが通常のT字型で、13~19フレットは真鍮製のバータイプです。このユニークな仕様は、トーレスと親交のあったギタリストの証言に基づいており、La Leonaの指板を忠実に再現したものです。トーレスは、上等な楽器にはT字型のフレットを使用し、安価な楽器には真鍮製のバーフレットを使用していたようですが、なぜ、このような仕様になったのかは分かりません。単純に高価なT字型フレットを節約したかっただけかもしれませんが、もしかすると作業を容易にする為だったのかもしれません。12フレット以降を打ち込む際、表板の内側から当て木をしてハンマーの打撃を緩衝しなければ最悪表板を割っsてしまいますが、トルナボスが邪魔をしてサウンド・ホールに手を入れる事ができません。しかし、バーフレットであれば、基本的に膠(にかわ) で固定が可能ですので強く叩き込む必要がありません。La Leonaは、トーレスが初めてトルナボスを用いたギターの可能性がありますので、作業的に不慣れであったのかもしれません。バーフレットなど市販されていませんので、真鍮の板から一本ずつ切り出し手作業で製作しています。

ブリッジはサドルを持たないリュート様式で、弦留めのブロックから直接弦を張るタイプです。このブリッジこそLa Leonaの性格を決定づける最も重要な要素であると思われます。この古典的なブリッジの最大の欠点は、弦高調整が難しい点です。私はかなり長い間思案し、ある解決策を思いつきました。一見するとオリジナルのブリッジとなんら違いはありませんが、実は、タイブロックの前面は取り外し可能な“パネル”になっています。つまり、このパネルに開ける穴の高さを変えることで、僅かながら弦高の調整が可能になります。パネルの固定方法は『引き戸』から着想を得ました。前後に押しても引っ張っても外れませんが、パネルを高音側へ僅かにスライドさせ手前に引っ張ると外れます。外観上ではこの構造を判別するのは難しく、元の美しいデザインを保っています。このアイデアを実際に形にしてわかった事は、極めて自由度が高いという事です。むしろサドルを持つ一般的なブリッジの方がよほど制約が多いような気さえします。現在の12フレットに於ける弦高は、1弦側で約3.0mm、6弦側で約3.5mmです。ブリッジの材質はマダガスカル・ローズウッドです。

糸巻きは木製のペグです。現在のLa Leonaには機械式のペグが装着されていますが、これは後に改造されたもので、木ペグこそLa Leonaの本来の姿です。ペグの製作にも工作機械などは使用しておらず、鋸やノミを用い、黒檀のブロックから一本一本手作業で削り出しています。朴訥とした質素な外観は、楽器に謙虚な芸術性を与えてくれます。

塗装はシェラックによるフレンチ・ポリッシュです。

ラベルは、私自身が彫った版画で印刷しています。

リュート様式のブリッジと真鍮製トルナボスの相乗効果によって広がりのある煌びやかな響きで、これが「La Leona」という名前の所以になっているものと思われます。ジャーマン・スプルースと真鍮製トルナボスのバランスが良く、木の温かさと金属の鋭さが共存したクリアな音色です。おそらく今まで誰も出会ったことのないような独特の響きです。

現在のLa Leonaは、獣骨で作られたドーナツ状のチップで弦が留められているようです。すなわち、サドルを介して弦を張った時と近い状態にあります。このスタイルを真似る事は可能ですし、ブリッジ前面のパネルを獣骨のサドルに変更すれば、現代的な音色が得られるかもしれません。しかし、安易にそれを実行するならば、La Leonaの本質から大きく逸脱してしまうように思います。この原始的で自然な響きこそLa Leonaの魅力であり、撥弦楽器本来の音のように感じています。トーレスはLa Leonaを生涯手離しませんでしたが、その気持ちはよく分かります。もし私の経済状況が許すなら、間違いなくこのギターを手放そうとは考えなかったはずです。

《コフィン・ケースについて》
このギターの為に専用のケースを製作しました。コフィン・ケースと呼ばれる19世紀スタイルの古風な楽器ケースです。材質はパイン材です。錠前は、古い楽器ケースではお馴染みのボックスロックです。真鍮で作られた国産のアンティーク品です。蓋の止め金具も古い国産品で、回転式のフックを持つ古風な構造です。蓋の開き止めには本革を使用しています。19世紀の雰囲気を壊さぬよう、金具の固定には全てアンティーク品のマイナスネジを使用しています。楽器同様、ケースの製作にも電動工具は使用しておらず、鋸や鉋など僅かな手動具を用いて製作しています。それ故に荒も目立ちますが、製作者である私自身二度と同じものを作る事はできません。ケースの製作には多大な手間がかかりますが、楽器の帰る家は可能な限り私自身の手で作りたいと考えています。

《楽器の詳細》
* 表面板 : ジャーマン・スプルース
* 横板 : インディアン・ローズウッド
* ネック : セドロ
* 指板 : 黒檀
* ブリッジ : マダガスカル・ローズウッド
* ペグ : 黒檀
* ナット : 牛骨
* 塗装 : シェラック
* 弦長 : 649mm
* ボディ長 : 464mm
* 上部幅 : 261mm
* 腰部幅 : 228mm
* 下部幅 : 344mm
* ネック部の胴厚 : 89mm
* エンド部の胴厚 : 94mm
* サウンド・ホール径 : 84mm
* ネック幅 : ナット部 50mm、12フレット部 60mm
* 弦幅(1~6弦) : ナット部 43.5mm、サドル部 56mm
* 楽器総重量 : 1,336g (弦、ペグ、ナットを含む)




オークション情報 新品送料無料

落札価格 301,000
入札件数 13件(入札履歴
商品の状態 未使用
発送方法 宅急便(ヤマト運輸)
発送地域 岡山県
終了日時 2024年4月27日 23時25分
出品者 eingitarrenbauer評価
オークションID s1131449185

カテゴリ落札トレンド