サラ・ブライトマンは、1997年の大ヒットアルバム『Time to Say Goodbye』以来、ジャンルを超えたクロスオーヴァーの花道を歩きつづけている。フーヴァーフォニック(<2>)からカンザス(<6>)、はてはプッチーニや映画音楽(『タイタニック』と『イングリッシュ・ペイシェント』)までを意欲的にカヴァーしながら。<4>で見られるように、ときには1つの曲のなかでクロスオーヴァーしていることもある。ここでは、陰気なハーモニーのアルビノーニの「アダージョ」にリズムトラックをつけている。
しかし、これらはみんなリスナーを驚かす緩衝材に過ぎない。本人はあくまで、ひとつひとつのメロディーに光をそそぎ込むように、気高く神々しく歌うことの方に意識を集中させているからだ。その結果、絶妙な具合に新しいかたちのキッチュさがうまれるのだ。
特別のヴォイストレーニングの効果あって、ブライトマンは高音部でより大胆に、安定した艶やかな声が操れるようになった。<3>にみられるように、この声には白磁に可憐な色つけをした磁器のような美しさ、はかなさがあり、弦楽をメインにしたロマンチックな(ときにやりすぎなこともある)アレンジにぴったりと合っている。さらにこのアルバムでは、作曲家としてのブライトマンを知ることもできる(シタールと詠唱風な歌声を組み合わせた<1>)。
Japanese Version featuring a Bonus Track: Time to Say Goodbye (Solo Version).
ネスレ「クレマトップ」CMイメージ・ソング「私を泣かせて下さい」他、ラヴ・ソングを中心に収録したアルバム。
1 イン・パラディスム
2 エデン
3 ソー・メニー・シングズ
4 エニイ・タイム・エニイ・ウェア
5 バイレロ
6 ダスト・イン・ザ・ウインド
7 イル・ミオ・クオーレ・バ(「タイタニック」マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン・イタリア語バージョン)
8 デリバー・ミー
9 いつか来るはず
10 ネッラ・ファンタジア
11 トゥ(あなた)
12 私を泣かせて下さい
13 オーシャン・アウェイ
14 セーヌ・ダムール
15 ネッスン・ドルマ(誰も寝てはならぬ)
16 ラスト・ワーズ・ユー・セッド
17 タイム・トゥ・セイ・グッドバイ(コン・テ・パルティーロ/サラのソロ・バージョン)
■中古品(レンタル落ちではありません)。国内盤。写真のものがすべてです。
■盤:良好
■ブックレット:良好、解説あり
■ケース:並~概ね良好、帯をテープで貼付しています