露MELODIYA グリンベルク(pf) ベートーヴェン：ピアノソナタ「悲愴」「月光」「熱情」 感動的な悲愴の落札結果

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露MELODIYA D18795-6 グリンベルク(pf)の演奏で、ベートーヴェン：ピアノソナタ「悲愴」「月光」「熱情」。レニングラードVSG・オリジナル。

この「悲愴」は本当に凄い演奏だと思います。ロシア随一のベートーヴェン弾きとして名高いグリンベルクは1908年生まれ、ブルーメンフェルトとイグムノフの弟子です。このレコードを聴くと、この人はベートーヴェンのソナタにとても真摯に向き合っているのが伝わってきます。なんとなくの理解で仕上げてしまうのではなく、自分の芯が納得するまで思考し続ける。だからか、「悲愴」は完璧に自分のものになっていて、「月光」では悩みつつもなにか掴みかけている、そして「熱情」ではまだ迷いが見られます。演奏の感動度もこの順なのですが、葛藤を隠そうとしないところに私は真摯さを感じて実に好感を覚えました。楽聖の音楽の泉の深さを正確に測ろうとしているのです。さて、「悲愴」です。楽譜丸ごと血肉化したような有機的な姿に驚きました。ほんの僅かな間合いの伸び縮みに思いが乗る。わざとらしさなんてまるでなくて、思いが募って、揺れてしまう心と体が表現されている。感情は垂れ流しではなく器にしっかりと保たれていますが、時折本能のままに指を振るうところがあってドキドキしてしまいます。ピアノと奏者が一体となったような、ピアノ芸術の一つの完成形がここにあるようです。「月光」も面白い。第一、ニ楽章ではまるで水中に沈んでいるように静かに幻想に包まれて、起伏は少なくずっと微睡んでいるよう。そして第三楽章では一音一音を際立たせて、対比をつけています。夢から覚めてドラマに出会うような、なにかこの曲の本質を掴もうとしている感じがあって惹きつけられました。「熱情」はきれいですが、彼女の魂はまだハマっていない感じですね。こんな正直なピアニストは大事に聴かなくては。得難い存在です。

盤質：盤面きれい。チリパチ少しくらいで溝状態良く、ほとんど美品～きわめて良好。

ジャケ：裏上部にシミあり。きわめて良好～良好。

【盤質評価】全面視聴してから出品しています。区分は以下のものを採用しておりますが、必要に応じて詳しく説明するようにしています。

美品(Ｍ)：新品並みの状態。

ほとんど美品(ＮＭ)：極浅い擦れや軽微な傷。

きわめて良好(ＥＸ)：年相応の擦れや浅傷。ひどいものはなし。

良好(ＶＧ)：擦れや傷などが目立つ。＊音溝が活きてなければ出しません。

■丁寧に梱包して送ります。またトラブルなどには誠実に対処いたしますのでよろしくお願いいたします。