「セオン」は、テレフンケンの「ダス・アルテ・ヴェルク」シリーズのレコード・プロデューサーであったヴォルフ・エリクソンが1969年に設立し、グスタフ・レオンハルト、フランス・ブリュッヘン、アンナー・ビルスマ、クイケン兄弟といったベルギー、オランダのオリジナル楽器奏者を中心とするアーティストによる優れた演奏の録音を制作したレーベルです。「セオン」レーベルの録音活動は1983年まで続き、第2次大戦後に興ったバロック音楽やオリジナル楽器演奏への関心を継承し花を開かせ、現在の古楽ブームの隆盛へつなげる原動力の一つとなりました。
ルネサンスから初期ロマン派にいたる幅広いレパートリーでオリジナル楽器による演奏録音を推進し、音楽学的考証に裏付けされたクオリティの高い演奏は、それぞれの作品の最もオーセンティックな解釈として世界的に評価されることになりました。これらの名盤は、オリジナル楽器演奏が多様化した21世紀にあっても、スタンダード・レファレンスとしての価値を失うことなく、多くのファンに聴き継がれています。
ヨーロッパ各地の教会など音響効果の優れた録音会場で、優秀なエンジニアと当時としては最新の録音機材によって収録されたアナログ・サウンドのクオリティは非常に高く、音質面でも高い評価を得ています。
当ボックスは、「セオン」レーベルの名盤を65タイトル・85枚のCDに収めたものです。全点ソニークラシカルから発売された時のカップリングによっており、その時のSBMリマスター音源を使用しています。