小児科医にして陶芸家、と言ってもご本人は常に「素人」と言われていた加藤静允さんの備前ぐい飲みです。
かの白洲正子さんとも親交があり、加藤先生の焼かれた作品を白洲さんも愛用されていたのは有名な話ですね。
しかし作品は販売する事は無く、その昔は寺町二条の大吉さんでの年に一度の展示会での入札が一般人が手にできるほぼ唯一の機会でしたがもうそれもありません。
出品の盃は火襷の朱い色も美しい備前のそれ。素直に轢かれたロクロ目は加藤先生の穏やかなお人柄を表すようで素敵です。ひょいひょいと軽快に外側をヘラで削った感じもリズミカルで小気味良いですね。小さめで手馴染みも良く美味しくお酒が飲めそうです。これから暑くなる季節、キリリと器を冷やして冷酒にも良さそうです。
大きさは高さ3.8cm、口径4.8cm。画像にありますように、胴体に掻き銘で静允(きよのぶ)の「キ」
状態は良好でキズなどはありません。なお箱はありません。
こうした小品でも加藤先生の御作は貴重です。ご存知の方も多いので余計な説明は不用ですね。お好きな方からのご入札をお待ちしております。