江戸中後期作 美人図 絵瀬戸風石皿（所載作/宮下耕三コレクション） ＜240305003＞の落札結果

中古

サイズ（cm）　7×26


経年による古色が見られます。
状態につきましてはできる限り画像でご確認ください。



古陶磁研究家 宮下耕三氏が蒐集した銘品の一で、「瀬戸・美濃の古染付と石皿」に所載の品です。


浮世絵美人を画題とした絵瀬戸風石皿である。
浮世絵の英泉研究家、今中広氏によると、
この顔立ちは江戸後期の美人に入るとの話であった。
瀬戸の絵皿は当時の民画のすべてといってもよい位
大津絵風の浮世絵、判じ絵、西洋の遠近法による絵即ち浮絵等があり、
特に多いのが柳、菊等の草花文である。
浮世絵風美人の出ているのはこの皿以外見たことがない。

（『瀬戸・美濃の古染付と石皿』より抜粋）


石皿について

煮物を盛りやすい形状のため、「煮しめ皿」とも呼ばれる。
かつては文化文政期の発生と思われていたが、
研究が進んだことにより、現在では桃山末～江戸初の発生とされる。
その初期においては、当時高価だった呉須と鬼板を用い、
一点一点を「さや」に入れて焼き、高級食器に位置づけられていたようである。
その頃の絵付は非常に上品で、
重ね焼きの必要が無いために高台や縁も細く薄く作られ、指を掛けるための「反り」も無い。
やがて江戸中期に入ると、全国的に俳諧が大流行する。
そうした影響は石皿にも表れ、俳画的構図でのびのびとした大らかな意匠が多くなる。
また、地呉須の発見により価格が安くなったこともあって、
この頃から重ね焼きによる量産化が始まっており、
高台や縁もそれに合わせて広く、厚くなってくる。
その時期が過ぎると、商売上の縁起物や、
梅に鶯といったような、ある程度固定化された意匠が増えてくる。
大量生産による練達の絵付は、まさに「石皿」をイメージする折に思い浮かべるもの。
造形はより量産に向いたものとなり、
高台は幅広く、縁は指を掛けるための「反り」がはっきりと作られるようになる。



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