露MELODIYA D29193-4 サイダシェフ作品集。アッバソフ(t)、シャキロフ(t)、ヴァガポフ(t)、ラフリン指揮、タタールスタン共和国国立交響楽団ほか。10インチ・VSG・オリジナル。
第一面
・ソ連軍の行進 (ラフリン指揮、タタールスタン共和国国立交響楽団)
・ブラートの歌 (アッバソフ(t)(1925-)) *ブラート…ダマスカス鋼を参考にしたロシアの鋼。
・マギヌルとティムルカヤの二重唱 (ザキエヴァ(s)、アフメトジャノフ(t))
・カンディールの歌 (シャキロフ(t)*タタールの有名テノール)
第二面
・グリュズムの歌 (テルクーロヴァ(s))
・ビビサーラ (バガポフ(t))
・少女たちの歌 (アブドゥッリン指揮、タタール・オペラ・バレエ管弦楽団・合唱団)
・ライサの歌 (ヒスマトゥッリナ(s))
・黒い森 (アッバソフ(t))
稀少。タタールの作曲家であるサイダシェフの作品集ですが、ラフリンなど有名所をはじめ知られざる名歌手たちが沢山聞けて、歌好きにはもう最高なのです。第一面初っ端から政治色満載ですが、これはまあお役人の顔を立てるものでしょう。しかしラフリンがタタールのオケを振っているのはそれだけで貴重。曲名を見るまでは田舎の村祭りの音楽かと思っていましたが、ソ連軍の行進とは。。さあ、次からが本盤のやりたいことです。アッバソフというテノールがなんとも素朴で、「歌ってこんなだったなあ」と懐かしい気持ちにさせてくれました。朗々として青空が広がります。この人は最後にも歌っていますが、そちらにも青空が見えてくるのですね。情感が自然と湧き起こされる感じで、本物の歌ですね。「マギヌルとディムルカヤの二重唱」も素敵です。ザキエヴァのおぼこい声は民謡にぴったりで、アフメトジャノフがまた田舎っぽい味わいでいいのです。かるく、かわいい。続く「カンディールの歌」はタタール人としては有名所のシャキロフ。流石に一段上の表現力で、やわらか、しなやかに田舎の匂いを連れてきます。当盤は第二面のテルクーロヴァの箇所にティックがあるのが残念ですが、この人は十分オペラができる人。学校でしっかり学んだのでしょう。続くバガポフがまたど偉く個性的で夢中になってしまいました。囲炉裏を囲んでの昔語りか、胸の裡をひらいた歌。洗いざらしの布のような声と歌にはなにも隠すものがなくて、かえって吸い寄せられてしまう魅力がありますね。「少女たちの歌」は女学生たちの歌といった感じで微笑ましく、続くヒスマトゥッリナも健康的な艶がある。タタールの音楽家たち、いいじゃないですか。ぜひ味わってみてください。
盤質:レーベル脇に穴。第二面「グリュズムの歌」に線傷ありティック。他は問題なく、盤面溝ともとても良い状態。第一面:美品、第二面:きわめて良好。
ジャケ:きわめて良好~良好。
【盤質評価】全面視聴してから出品しています。区分は以下のものを採用しておりますが、必要に応じて詳しく説明するようにしています。
美品(M):新品並みの状態。
ほとんど美品(NM):極浅い擦れや軽微な傷。
きわめて良好(EX):年相応の擦れや浅傷。ひどいものはなし。
良好(VG):擦れや傷などが目立つ。*音溝が活きてなければ出しません。
■丁寧に梱包して送ります。またトラブルなどには誠実に対処いたしますのでよろしくお願いいたします。