商品はアシェット(hachette)から2019年7月に発売されたエアファイターコレクション第29号の『スウェーデン空軍 J35Fドラケン Div.3/F-10』になります。
模型だけの出品で、雑誌はありません。
組み立てる場所はなく、取り出して飾るだけです。
開封済みだったので、機体を取り出して写真を撮りました。
写真を撮る際に気づいたのですが、コックピット後方のドーサルスパインの所と、右のエアインテークの後方に白い汚れ(塗料っぽい)があります。これ、多分、最初からの塗り損じじゃないかと思います。主翼の『24』を入れる時にミスったんじゃなかろうか?
タイヤを格納した飛行状態の模型です。
1/100のダイキャストモデルで、全長約15cm。
胴体と主翼が金属製で(触ると冷たいから)、垂直尾翼がプラスチック製です(冷たくないから)。
機首下に増槽を2本と、ミサイルを2発吊ってます。
マクロスΔ(デルタ)で、ウィンダミア王国の空中騎士団がドラケンⅢというバルキリーを使用しますが、その元になった機体が北欧スウェーデンのサーブJ-35ドラケンになります。
古い作品ですが、エリア88では、主人公のシンがクフィールC2の次に乗るのがサーブJ35ドラケンです。
機体上面をダークグリーンの森林迷彩で、機体下面をダークグレーで塗装されたスウェーデン空軍のドラケンです。
スウェーデン空軍は国内60ヶ所に分散飛行場を持ってます(今は更に増えてるかも~)。高速道路の脇道から森に入ると、小屋に偽装した格納庫や岩山をくり抜いたシェルターなどがあり、上空から発見され難い様にドラケンにも森林迷彩が施されてました。
主翼にデカデカと『24』のマーキングがあり、垂直尾翼にも『24』の番号がありますが、コックピット脇には『10』とマーキングされてます。
コックピット脇の数字は航空団番号なので、この機体はF10航空団の24号機になります。
J35Fは、230機生産された最終量産型のドラケンで、空対空ファルコンミサイルを装備出来る様になりました。
F型はレーダー誘導型と赤外線ホーミングの両方のミサイルを装備できます。
また、ドラケンは航続距離が短い。という欠点があった為、F型で外翼がインテグラルタンクになって燃料搭載量が大幅に増えました。
更にF型は機首の下にIRST(赤外線追尾装置)を搭載してます。これは米海軍のF-14Dと同じです。
◆趣味のサーブJ-35ドラケン
北欧のスウェーデンは中立国です。こう書くと平和っぽいのですが、実はそうでもない。
第2次世界大戦時、右隣のフィンランドはソ連(連合国)に攻撃され、南隣のデンマークとポーランドはナチスドイツに占領されました。ソ連とドイツの中間にある国は両方が攻めて来る気の毒な地理的位置にあります。
つまり! スウェーデンにとっては、どっちも敵だったのです。
アメリカが参戦する前は、アメリカが武器を売ってくれてたのですが、アメリカ参戦後は、法律で連合国にしか武器を売れなくなった為、スウェーデンは自衛のために仕方なく自国で兵器を開発せざるを得なくなったとゆー。
戦後、ドイツは負けましたが、今度は西側のNATOと東側のワルシャワ条約機構との間に冷戦が始まりました。やっぱり両方の中間地点にあるスウェーデンは、どっちの味方をしても地理的に最前線になり真っ先に滅ぼされます。そこで武装中立するしかなかったとゆー。
第2次世界大戦後、ジェット機の時代が来ますが、サーブ社も次々に新型ジェット戦闘機を開発します。その性能は常に世界最新鋭・最強を誇りました。
1960年頃から、マッハ2級の第2世代ジェット戦闘機が主流になりますが、サーブ社もJ35ドラケンを開発します。
形からして独特なのですが、様々な特徴を持つ高性能戦闘機です。
まず、ダブルデルタ翼と呼ばれる独特な翼の形をしています。
翼が三角形のデルタ翼機は超音速時の操縦性・安定性が高いので、第2世代のジェット戦闘機にはデルタ翼機が多いです。反面、低速時の安定性がかなり悪く、長大な滑走路が必要になるという欠点もあります(2000~3000m級の滑走路が必要)。
これを解消したのがダブルデルタ翼で、翼の角度が途中で変わり、真上から見ると、三角形を2つ重ねた様な形をしてます(後にスペースシャトルがこのアイデアをパクる)。
これにより、低速時でも高速時でも安定した飛行が可能になり、特にドラケンの場合、マッハ2級のジェット戦闘機であるにも関わらず、失速速度は100ノット(時速185km)以下で、離陸510m、着陸460mの滑走路があれば運用可能になってます。飛行場だけでなく、国内の直線道路全てが滑走路になるとゆー。
更に外翼が取り外し式で、翼を外すと幅4.4mになり、トラックの荷台に乗ります。トラックで運んで出撃、あるいは道路に降りた後、トラックで運んで撤収が容易であるとゆー! 小型なので納屋などに偽装格納も可能。
しかも電子装置などの各機器はモジュール化しており、交換も容易である為、整備性・拡張性も抜群!
また主翼の付根にある扁平なインテークはそのままの形で内翼と化し内部は燃料タンクになってます。この内翼により、外翼・内翼・胴体が滑らかに一体化した事から、F-16のようなブレンテッドウィングボディになっており、機体全体が揚力を発する事からも低速での安定性が高くなってます。
最初は空対空戦闘機だったのですが、後に改良され、あらゆる任務が遂行可能なマルチロールファイターに進化しました。
1955年開発開始、1960年運用開始なのに、同時代に設計された他国のどの戦闘機よりも高性能だったとゆー!!!
スウェーデンの国情に特化した戦闘機だったのですが、お隣のフィンランドやデンマーク、オーストリアにも輸出されました。
スウェーデンでは1999年まで使用され、その後、後継機のサーブJ37ビゲンに交代しました。。
ブリスターの大きさは横25cm×縦16.5cm×高さ6cm。
写真の1枚目は、斜め前から。
写真の2枚目は、横から。