先ずtube硝子壁面にPHILIPSと印刷されていますが球のエッチングfactory code によりMullard Whyteleafe工場1977年(‘67年に製造された可能性もあります)9月製造(球壁date cordより→注写真)で、印刷では6AK5と記されていますが、やはり球壁のtube codeの590により6AK5の軍需用途高信頼管CV850/CV4010・6AK5W(5654近似)である事が判ります。
同ロット2本 未使用元箱入りですが。はっきりした事は分からず推測ですが、同時期にPHILIPSはMullardから多数のOEMがあったのは事実ですが 簡素なパッケージはNATO軍保守用途倉庫保管球を後に商社等が箱に詰めたものかもしれません不知です。
しかし何れにしても球の造り、後述しますが測定、また状態等間違い無くエッチングcodeが示す球であり未使用新品だと思います。
上記検証によりMullard製造のEF95/6AK5同種球中 最高品質といわれるWhyteleafe球です、また音質もPhilips関連会社球中最良かと思います(これは私感です、ご自身でご判断ください)→以下説明いたします。
先ずMullardの製造工場でもWhyteleafe(ホワイトリーフ工場)は聞き慣れないかも知れませんが 大量生産の出来るブラックバーン(Blackbum)やこの球種での後期製造主流ミッチャム(Mitcham…後に同CV球も製造しました)と違い 軍需や業務用途小型高精度管中心に製造した 当時(1950年代)のMullard最高品質を誇る最先端工場でした、ここで生まれた高信頼管はMullardの名を時代が移り用途がオーディオ中心になってからも高めたのは詳しい方は周知かと思います。
工人達(女工→真空管製造は西洋も日本も髪の毛より遥かに細いグリッド線の巻き上げや複雑な微細溶接加工は 当に女性の独占領域でした )の技術レベルの高さは 当時BBC放送が取材し放送特集が組まれた事を、 古い記録より取り上げた 記事……神田の古本屋で購入した米Vacuum Tube Valley誌(だったか?)のTube history cornerで写真画像と共に興味をもって読んだ記憶があります。
素人多弁 すぐ余計文長くなり申し訳ありません。─────────────────────────
相互コンダクタンスをTV2-B/Uにて試験し特性が経年半世紀をものともせず未だ高信頼管規格内に揃ったマッチドペアに なっています(よく古いVintage球は経年劣化により特性や初期エージングをやり直さない…云々言われる方がいますが…勿論造りの良くない球や保存が悪かったり、また中古球では当てはまるものが多くありますが、造りの良い真空管全盛期の高信頼管等は驚く程の耐久性が有ることは事実です)。
球の状態を知ることは重要で 適切に設計した回路で 正確な駆動特性を得るには使用球のバランスも重要になって来ます、しかし 完璧を求めるのであれば、このような高精度試験機であっても 実は 真空管の動作域を点、せいぜい線で見るようなものかもしれません(点や線をも外れるものは 問題外)で 動作域全ては同メーカーであっても製造時期が変わることで微妙に実働域に変化があります、よって必ず昔からマッチド定義は同ロット球で有ることと定められているわけです。
球は非常に良い状態です。─────小さな球ですが高音質でプリやメインの初段に素晴らしい性能を発揮してくれます。─────────────────────────
以下文は、詳しい方は周知のことですからお飛ばしください、同内容のことを出品した過去他球にも書きましたが、最近ネット記事、また真空管オーディオ関連雑誌の記載記事や説明記事にも歴史事実と違った説明がなされ、球の歴史にも興味を持つアマチュアマニアの一人として書かせて頂きたいと思います。 Mullardはイギリスの会社で創立から 優秀な真空管を多数、開発製造しましたが 早くからphilipsの資本が入り 間もなく(1927年)完全子会社になります(以降Mullard製造球は全てphilips開発球になりますが 当然優れた職人達は継続、中心的開発技術者はEURO圏最先端と言われたオランダphilipsの中央研究所にも配属)。 ──────真空管時代の最終期はphilips開発球が世界を制覇していくわけですが、中でもMullardは生産、製造品質向上の中心的な役割を持ち、同じく子会社のフランスのR.T.C(ダリオbrandで有名)や系列MAZDA、ドイツの子会社VALVOや関係の深いTelefunken(30年代提携、大戦後はphilips援助で工場再開)、東欧TESLA(30年代philips資本投入で真空管事業は開始)、日本の松下(40年代真空管製造技術提携開始)、米国Amperex(早期に子会社)、またPHILIPS.ECG(元SYLVANA.合併、後に子会社)等々とタッグを組み世界にPHILIPS開発球を製造、或いは販売、展開していきます(PHILIPS提携企業は世界中無数にあります)。──────────────────────────
この球種6AK5(WE403A/B)はWestern Electricの発明(403A/B)ですが その性能に世界中で同規格球が作られました、当時の有線、無線を問わず通信機器の重要な球になりました。 この独特な丸い穴の空いたプレートを持つ6AK5も 基本開発は当時 最高の開発研究所でもあったオランダのphilips本山ですが 大量に製造したのはMullardでした。 ──────────────────────────
脇道に逸れるばかりですが、Mullardの真空管製造技術、また量産技術については同メーカー 製造球に現在では 高いプレミアが付くことが 証明していますが、同Mullardであっても valve形状の違いだけでは無く、ゲッターがこの球もそうですがsquareタイプであったり はるかに多い部品数で非常に強固かつ 高精度に 組まれ違いがあります。
この球種は現代では製造されては無いかも知れませんが他球はGuitarアンプ等の需用で多数製造されています、品質も勿論良くなっていますが、全盛期Vintage球と比べてどうでしょう?
私達の常識(年代が新しい程工業製品は優れて…)は真空管には当てはまらないと思います。手工的要素と膨大な製造量だから出来る選別、徹底的な活性エージング技術は簡単に機械に置き換えることは出来ません、他球もそうですが真空管はいわばもはや文化遺産的な存在かもしれません、未だ辛うじて手に入るこの遺産をご興味ある方は是非試して頂きたいと思います。─────────────────────────
試験機検査
破棄値58のところ A球→117、B球→118、良くに揃っています、同ロット(球壁エッチングtube code 59→ミルスペック6AK5(普通球2E) 、Whyteleafe Factory→球壁エッチングcode □に\記号、同date code7 I→57年9月)ですから 稀少マッチドペアになります。
追記→製造に週codeがありませんが、同工場製造では他球種も同様です 理由は分かりません、Philips code 1956年からの code解読にしたがっていますが、 他に複雑なalgorithmがあり解読表より読み解かないといけません、 対応数字は見当たらず 上記年代にしました、万が一 間違っていましたら 私は素人ご了承下さい。─────────────────────────
適正な回路駆動、また物理的なアクシデントが無いに関わらず 不具合が出た場合 常識をもって対応いたします、この球は間違いなく新球(とは言え半世紀を遥かに超える古さですが)であり保証は3ヶ月といたします。
(2026年 3月 27日 13時 33分 追加)
■■■■■■■
追記→説明文記載に曖昧な点がありますので、訂正いたします。 読み返し確認を怠り 記載内容、誤字、脱字等申し訳ありません。
重要項目として Datecodeの記載がありますが再度まとめます。PHILIPS関連会社は基本的には共通したDatecodeに従います、Mullard等子会社は当然として同エッチングcodeが記載されています(然し松下やTELEFUNKEN、或いはTESLA、RFT等は関係が深いにも関わらず各社独自のcodeが使われOEMであっても球の由来を分かり辛くしている事例が多数あります→資本比率の規定があったのかも分かりません)
今回のMullard球のcodeですが、球種に間違いはありませんがPHILIPScodeに従い1956年以降のAlgorithmに従っていることが分かりますが 年号の記載が一桁ですので50年代、60…、70…、と10年ごとに同じ記号が繰り返します、ゆえ年代の違いは 同球であっても電極の微細な違い、ラベル表示の違いや色などを参考に特定(私の場合)しますが、このWhiteLeaf製造球は殆どModelChangeが無く 70年代末迄製造されるので 分かり辛い訳です。
50年代PHILIPSへのOEMだとすれば当時、20年代から60年代末まで脈々と続いていた PHILIPSの球ブランド名、伝統の’’PHILIPS MINIWATTのロゴが付いているはずですが 只のPHILIPSですので 60年代最後期からWhiteLeaf工場閉鎖までの間に製造されたことになります。
話しは戻りますが60年代で有れば半導体の進出は目覚ましいのですが、まだまだ軍、業務球として最高の信頼のあったWhiteLeaf球ですので このような簡易箱に入るのはおかしく厳重に梱包された箱に入っているケースが多く…故私は1970年代
WhiteLeaf工場の閉鎖のほぼ直前に製造された球だと推測したわけです。
あくまでも想像ですが…だとすれば 多数のMullard工場の中でも絶対の信頼を勝ち得たこの工場の 最終最後の製造球の一つ……此れはこれで感慨深い…等と夢想いたします(笑失礼)。
以上 あくまでも個人的推測ですので、尚詳しいベテランの方間違っていましたらお許しください。