表紙から楽譜が離れています。読譜には影響有りません。
ナポレオン コスト
19世紀中期のロマン主義音楽の課題の一つは転調ということでした。そのために和音というものが、旋律よりもリズムよりも重大でした。 ギターリストの中で この課題に正面からぶつかっていった作曲家はナポレオン・コストだったと思います。コストの「25の練習曲」を見ますとこのことがはっきりと分かります。 コストがギターに引かせようとした 和声は完全な4世 または酸性の和声で、ギターで弾ける限り 音を省こうとはしませんでした 。そのために ピアノで弾いても面白いし、ピアノで弾いた方が良いようなところ さえ あります。このことはそれだけ ギター のオリジナリティが損なわれているということもできましょう。 とにかく19世紀の音楽がギターの範囲を超えて 全ての面で大きく膨れ上がった時に、ギターをそれに追いつかせようとした唯一の作曲家である ナポレオン コストの存在は貴重なものだと思います。そうした コストの代表作品である「25の練習曲」は ギター 音楽として 極めて重要な作品であると思います。