「知の迷宮」に挑む!
14世紀、北イタリアの修道院で連続殺人事件が起こる。これは「ヨハネの黙示録」に示された世界の終末の光景なのか──。世界30か国以上で翻訳され、映画化も果たすなど、多くの人々の心をとらえてやまない『薔薇の名前』。世界的記号学者ウンベルト・エーコはなぜこの「小説」を書いたのか? 20世紀を代表する知性がつくり出した「知の迷宮」の謎に迫る。
【はじめに】いざ、知の迷宮へ
【第1回】修道士は名探偵?
【第2回】知の迷宮への旅
【第3回】「異端」はつくられる
【第4回】謎は解かれるのか
和田 忠彦 講師
イタリア文学研究者、東京外国語大学名誉教授 1952年、長野市に生まれる。京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。専攻は、イタリア文学。東京外国語大学名誉教授。立命館大学客員教授。著書に『声、意味ではなく』(平凡社、2004)、『ファシズム、そして』(水声社、2008)、『タブッキをめぐる九つの断章』(共和国、2016)、『遠まわりして聴く』(書肆山田、2017)など。ウンベルト・エーコ、イタロ・カルヴィーノ、アントニオ・タブッキをはじめ、イタリア近現代文学の訳書多数。