盤共に非常に状態の良い中古でございます。
そもそもかの”MCA Record”(現Universal Music)からリリースされた作品でございますが、
こちらは権利ライセンス制作でリマスター仕様となっております。
非常に良心的な音質ではございますが、そもそもが八十年代中期以降の過剰なディジタル録音制作の時期。
録音は良いものの、かなり角張った音像で色彩が派手な感がございます。
こちらは「世界500枚限定リリース」という代物。何をか言わんや、でございます。
内容は言わずもがな。
ラインナップは、Marc Ferrari(G、B-vo)、Erik Gamans(G、B-vo)、Ron Cathey(Vo)、Chris McLernon(B、B-vo)、
Anthony White(Ds、Per、B-vo)となります。
また、ゲストとしてStephan Presley(Key)となります。
プロデューサーはKevin Beamishでございますが....................
(かのY&T、Lionheart(Dennis Stratton(ex-Iron Maiden)結成のNWOBHMのポピュラー系名バンド。現在は再結成)、Leatherwolf等を手掛ける)
ミキシングに前者に加え、Kevin Elsonが携わっている事がミソ。
(かのJourneyのサウンドエンジニアで名作ライヴ盤”Captured”、大傑作”Escape””Frontiers”、
かのEuropeの名作”The Final Countdown”等手掛ける)
また、バンド以外に共同ソングライターとしてTommy Thayer(ex-Black'N'Blue、現KISS)、
Oni Logan(Lynch Mob等)等々が関わっている事もミソでございます。
1987年制作の名作4th”Keel”制作・ツアー後の1988年2月にMarc Ferrariが”Keel”を脱退。
そもそも”Keel”のメロディアス面/ポピュラー面を担った感のあるMarc Ferrariでございますが、
”Keel”では成し得なかったそれらの音楽性をより重視しようと結成したのがこの”Cold Sweat”でございます。
結成時にはかのOni Loganが加わっていたものの、
かのL.A.Metalの名バンド”Dokken”の名ギタリストGeorge Lynchにバンド崩壊後の新バンド”Lynch Mob”結成の為引き抜かれてしまいますが、
紆余曲折後にラインナップが確定。
”Keel”が契約していたかのKISSのGene Simmonds運営”Simmons Records”の配給を担当したかのメジャーレーベル”MCA Record”との契約を獲得。
満を持してデビュー作制作に乗り出す......................という経緯がございます。
メロディアス面やそれを生かしたツインリードギターの有り方が”Keel”と共通しており、”Keel”でのMarc Ferrariの役割が判るもの。
コーラスワークを重視。
”Keel”ではかのRon Keelのヴォーカルそしてリズム隊の技術面を含めた個性や音楽性では生かし辛かった
Marc Ferrariの”ポピュラー面”を前面に打ち出しておりますが、驚く程ハードな音楽性。
またリズム隊にテクニカル系の面があり、ドラマーが案外手数系で”Keel”の堅実さとは異なるもの。
非常に躍動感ある音楽性の核となった感がございます。
あくまでRon Keelのリーダーバンドである”Keel”で成し得なかったMarc Ferrariの音楽性、
そして「”Keel”をこうしたかった」というMarc Ferrariの主観が感じられるものでございます。
ヴォーカルのRon Catheyは非常に伸びやかで声域も広く表現力豊か。
かのVince Neil等々を思い出させる面がございますが、二番煎じと揶揄するには非常に惜しい感がございます。
楽曲も粒揃い。
ポピュラーさ、米国HR/HM系メロディアス、そしてハードさが上手く癒合したもの。
(L.A.Metal界隈評価ではございますが)老舗正統派バンド”Keel”の名参謀であったMarc Ferrariの面目躍如の感がございます。
ポピュラー面での応用力が抜群。
リズム隊がテクニカル系で変幻自在という事もあり、様々な楽曲にも対応可能。非常に幅広く飽きさせない音楽性でございます。
1990年という八十年代メタルそしてL.A.Metal最末期の感がございますが、米国メタルの名盤・代表作の一つとしても謙遜ないものでございます。
されど時代はグランジ/オルタナ全盛期。
この手の音楽性にシーンは興味はなく、またレコード会社も碌な広告戦略を打ち出さず、バンドは消滅。
その後Marc Ferrariはメタル絡み映画出演・楽曲提供、文才とキャリアを生かし執筆活動等々と並行しつつ新バンドMedicine Wheel結成へと移行。
ソロ作制作を交えつつ、その後”Keel”再結成に加わる事となります..........................................
今作はリマスター盤でございますが、初期の”Pro Tools”を使用した模様。
楽曲がSEで繋がる個所がオリジナル作にはございますが、今作では見事に分離しております...................................何かねぇ..................................
現在では入手が困難。この機会に是非。