20240499 - 1936年 フランス領インドシナ 漢字地名入り地方局(POSTE RURALE)「平水」印押し域内宛エンタイア
南部仏印(コーチシナ)で使用された漢字入り地方(ルーラル)消印が押されて差出されたカバーです
コーチシナの中核都市であるCANTHO郵便局の「地方局」扱いとなっている「平水(ビントゥイ)」局差出で、同局引き受け時この漢字地名入り郵便印で押印後、CANTHO局に運ばれてそこで日付印が押されたのち配送されました(本品は宛先自体もカントー市の行政官宛)
仏領インドシナの地方印は、同地の地名がかつてはすべて漢字表記されていたことをあらためて思い起こさせてくれる興味深いアイテムだと思います
同様の「地方局印」でもカンボジアエリアなどでは漢字表記が無かったため、現在のベトナムエリア(トンキン・アンナン・コーチシナ)の漢字入り地方局印収集は、その希少性と合わせて人気ある収集対象となっています
POSTE RURALE PROVINCE CANTHO BINH THUY (平水~ビントゥイ) - 紫印
+ 角型日付印 24 FEV 1936
CANTHO 24 -2 36 COCHINCHINE 引受印
Yvert #159(5c)単貼
*状態は悪くありませんが、封筒にややシワがあります
こうした地方印は、引受時に切手抹消用に使われる場合と、あくまで引受印として封筒に押されたうえで切手は本局の日付入り郵便印で抹消される場合とがあり、それぞれの局により対応が異なっていたようです
本品の「平水」局を管轄するCANTHO局では地方局印による切手抹消が認められていたようですが、この「平水」局はさらに独自の角型日付入り印を使用していた特殊な例となります(同局のエンタイアでは日付印有り・無し両方が記録されています)