20240502 - 仏領インドシナ 1904年 フランス軍トンキン遠征軍差出し無料軍事郵便~HA-GIANG (河江)駐屯地承認印押
1889年のインドシナ連邦成立後も、更なる領地拡大・平定を求めて同地に派遣されていたフランス遠征軍将兵の本国宛郵便は一部無料扱いが続いていました
本品は1904年トンキン地方の中国国境付近ハジャンからパリに差立てられた無料軍事郵便カバーです
ハジャン駐屯地指揮官の承認印が押されていますが、地名を漢字でデザイン化した各部隊独自独特の印が使用されています
また部隊承認印に加えて、その横にはトンキン遠征軍の軍事郵便局印(日付なし)と正規営業中のハジャン郵便局日付印が押されています
一方で仏印派遣海軍の部隊印は単純な錨マークの円形印が多かったため、派遣部隊ごとに独自のデザインに様々な書体の漢字地名を組み合わせて作成された陸軍の部隊承認印入りカバーは人気のある収集対象となっています
またこうした「漢字入部隊印」は、侵攻駐屯地の地名がかつてはすべて漢字表記されていたことをあらためて思い起こさせてくれると同時に、フランスが軍事関連印に現地文字(もしくは中国語)を活用していたこともわかる興味深いアイテムだと思います
軍事郵便承認部隊印
「督鎮省河江 PALACE DE HA-GIANG / LE COMMANDANT D'ARMES」
HA-GIANG 23 JANV 04 TONKIN 差出印
CORPS EXPEDIT_RE TONKIN 軍事郵便局印
HANOI 30 JANV 04 TONKIN 中継印
PARIS 9 -3 04 DISTRIBUTION 到着印
* 封筒右上部が開封時に少し破損していますが、状態の悪くないカバーです