約1億年前(98.89+/-0.62 Ma)に起源をもつ、恐竜時代のビルマ琥珀(バーマイト)の虫入りです。
体長1.3mmのコナジラミ Aleyrodidae? が含まれています。目立たない虫のため琥珀からは重要な分類学的発見があると思われ、実際ちょっとネット検索しただけでもビルマ琥珀から既に複数の新亜科が創設されています。翅脈はコナジラミのそれですが(画像2枚目の矢印)、新科や近縁絶滅科の可能性もあるので広くコナジラミ上科とお考え下さい。この類は過去に1度しか出品した記憶がないので、関心のある人にとってはかなり興味深いのではないでしょうか。琥珀表面に近いですが破損はなく、黄色透明の琥珀で画像のコントラストは低いですが、翅も左右に伸びクリアで状態は非常に良いです。オークションの出品にこぎつけるまでには膨大な作業があり、それと同じくらい同定には時間がかかりますので自身の対象群以外にはなかなか時間が割けないのが残念です。
なお、すべての出品拡大画像はルーペとスマホカメラのみで撮影しています。実体顕微鏡は撮影には使用していませんので、解像度が低い代わりに(つまり実際の標本は画像よりも有為に良い状態ということです)、どなたでも示した程度には虫が見えるということです。実体顕微鏡をお持ちでない方は、メルカリに解説記事を出品していますので「このように虫入り琥珀の拡大画像を撮影しています」と検索してご一読ください。要点は「よいルーペで拡大した画像をスマホカメラで拡大撮影した画像を観察する」ということです。
琥珀表面に小孔がぽつぽつあいていますが、二枚貝類の穿孔痕ですので「傷」とは見なしていませんのでご注意ください(画像3,5,7~8枚目で琥珀表面の様子をご確認ください)。
琥珀の大きさ:18x8x2.4mm
#7988
画像1~2:コナジラミ背面(2枚目画像の矢印は主要翅脈の位置の概要)
画像3:自然光・白背景
画像4:透過光
画像5:自然光 ・手のひら
画像6:自然光・白タイル背景
画像7:自然光・黒背景での蛍光反応
画像8:UVライト(375nm)照射時の蛍光反応
送料:120円(普通郵便)
(2024年 4月 12日 23時 55分 追加)入札される方で間違う方もおられないとは思いますが、この石には2頭の蚊亜目の蠅も(反対面に)含まれています。最後9枚目の画像の赤丸で示したのが「コナジラミ」の位置です。