ことりをすきになった山 (エリック・カールの絵本) エリック=カール/絵 アリス=マクレーラン/文 ゆあさふみえ/訳
★1994年刊 定価1540円 24㌻ 29×21㌢ ハードカバー製本
★全国学校図書館協議会選定図書
★日本図書館協議会選定図書
★中央児童福祉審議会推薦図書
★荒れ果てた野原にぽつんとそびえる、岩だらけの山。降りつける雨や雪の冷たさしか知らなかった山に、ある日一羽の小鳥がやってきました。
山は小鳥のやさしく柔らかな感じにわくわくして、名前を尋ねます。
ジョイという名のその小鳥は、毎年春になると巣作りの場所を探して旅に出るのだといいます。山は小鳥に、ここにいてくれと頼みますが、食べ物や水のない場所には住めない、と断られまする。
それなら必ずまた来て欲しいと頼みますが、小鳥の命は数年しかありません。
しょんぼりする山に小鳥は、自分の娘にも、その娘にもジョイの名をつけて、春になったら山へ来て歌うように引き継いでいくことを約束しました。
それから毎年ジョイという名の小鳥がやってきましたが、そのたびに別れが辛くなっていきます。ジョイを待つ狂おしさに、山は砕け、涙を流します。
涙で出来た小川に、ジョイは毎年タネをくわえてやってくるようになりました。
山には草や木が茂るようになり、山の悲しみの涙は、幸せの涙に変わっていったのです。そして…
★文化人類学者による文章と、カラフルで力強い絵で、「愛」と「自然の変化」を詩情豊かに描く この本の文章を手がけたアリス=マクレーランさんは、文化人類学者。絵本の仕事はこの本がはじめてだったそうですが、長い年月による自然の変化を、山とことりの間の愛情とともに、みごとに表現しています。
エリック・カールさんの絵も、物語にぴたりと合い、ごつごつした岩肌や、あざやかな緑、カラフルなことりを、力強く描いています。
山とことりの、すてきな結末にも注目です。ぜひ読んでたしかめてみてくださいね。
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