約1億年前(98.89+/-0.62 Ma)に起源をもつ、恐竜時代のビルマ琥珀(バーマイト)の虫入りです。
アリ:体長3.5mm、状態は悪いですが比較的よく見る Sphecomyrmodesとは腹部の形態が異なるように見えますのでそれとは別の属だと思います。
Lepiceridae(甲虫):体長1.2mm、ツブミズムシ亜目に属する非常に珍しい甲虫の科で、現生種は中米から南米北部にかけてわずか3種が知られているだけです。最初に記載されたのは1855年に遡るものの、近年まで生態もほとんど不明でした。2005年以降各地でまとまって発見されるようになり、河川脇の小石の割れ目やその下、河川からは少し離れた高湿潤の混合林、プランテンとカカオの混合農地など、ほかのツブミズムシ亜目の甲虫とは異なり、水棲ではないことも明らかになりました。このように現在は新世界(の特に熱帯・亜熱帯地域)からしか知られていない甲虫のタクサが、旧世界の琥珀(ビルマ琥珀、バルト琥珀)から発見される例が出てきました。歴史生物地理学的な考察には極めて重要です。茶系琥珀のため状態はいまいちですが、より状態の良いものはメルカリに出品していますのでご興味があれば、「白亜紀 虫入り ビルマ琥珀 時空を超えた隔離分布パターン①」で商品検索をかけてみてください。
ほかにダニ2種、コケムシ Scydmaeninae(甲虫)2種、コメツキムシ上科 Elateroideaの甲虫2頭などが含まれています。
琥珀の大きさ:17x14.6x5mm
#7984
画像1:アリ背面(下方が腹部)
画像2:Lepiceridae腹面(上方が頭部です)
画像3:ダニ2種(小さい方は矢印で位置を示しています)
画像4:コメツキムシ上科の不明科(2頭)
画像5:自然光・白背景(茶系の琥珀で不純物が多いです)
画像6:透過光(赤丸が Lepiceridaeの位置)
画像7:自然光 ・手のひら
画像8:自然光・白タイル背景
画像9:自然光・黒背景での蛍光反応
画像10:UVライト(375nm)照射時の蛍光反応
送料:120円(普通郵便)