「7C」は長年V.バックのトランペットを購入すると付属してくる、最も標準的といって良いサイズの、あらゆる点で基準になるマウスピースです。
メーカー発表の仕様は
リム内径 16.20mm
リムの形状 MW(ミディアムワイド)
外側に向かって低くなり比較的リムの内側が立っているが全体的にはグリップの良い丸めのリム
カップの深さ Medium(中くらい)
「世界中で最もよく使用されているモデル。輝かしい音で、学生からプロ奏者まで支持されている。」
と解説されています。
実際の感じもリムはラウンド気味な形状で、リップのコントロールがしやすく、厚すぎるリムやフラットすぎるリムが苦手な方にも良いと思います。
唇の操作の自由度と、音量と音色の豊かさの両方を確保できるリムサイズで、跳躍を含むフレーズや音の立ち上がり(アタック、タンギング)がとても演奏しやすいリムです。
リムエッジからカップにかけて「えぐり」が入っていて、リム内径のサイズ以上に音量や音色が豊かになるよう、カップの容量を増す配慮がなされています。
V.バックの同じ「Cカップ」でも、7Cのカップは6Cや3Cと比べるとわずかに深めで、豊かな音色がします。
大きすぎず小さすぎずのリムサイズで、トランペット初心者から上級者までとても扱いやすいサイズです。
見栄を張って大きすぎるマウスピースを使って苦労するよりも、この程度の大きさのマウスピースを使って余裕をもって演奏した方が、良い結果が得られる方も多いと思います。
サウンドは輝かしく、かつふくよかで、大きいマウスピースのように高音が出しにくかったり、長時間の演奏ですぐにバテることもない、あらゆるバランスに優れたマウスピースです。
7Cは、ボリショイ劇場管弦楽団やソリストとしても活躍したロシアの伝説的トランペッター、故チモフェイ・ドクシツェル氏などのトッププレイヤーも使用していた型番です。
マンハッタン・ジャズ・クインテットなどでの演奏も記憶に残る、故ルー・ソロフ氏も、晩年はニューヨーク・ブロンクス時代のV.バックの7Cを使用することがあったようです。
クラシックからジャズ、ポピュラーミュージックまで、どんな音楽の演奏にもオールラウンドに適応できるマウスピースです。