*「版のイメージは立体と平面の間にある」と言った 小田襄 の メタルリーフプリント作品『球形宇宙』です。
室伏哲郎は、このメタルリーフプリント作品を「極端に平面化されたミクロ以下の超薄板彫刻」と解説しました。(出典:版画事典 室伏哲郎 著)
これは 版画藝術 第6号に添付されたオリジナル版画作品を額装したものです。1974年制作 直筆サイン入り 額装品【真作保証】
小品ですが、小田襄のメタル・リーフ・プリントの名品だと思います。
*小田襄ファンの皆様、作品を探されていた方、作品を気に入った方、ぜひこの機会にコレクションに加えてください。
・作家名:小田 襄(おだ じょう)1936-2004
・作品名:『球形宇宙』
・技法:メタルリーフプリント
・額装サイズ:約32.5cm×約23.5cm
・限定数:7575部
・制作年:1974年
・サイン:直筆サインあり
※作品下部に、鉛筆サインとエディションの記載があります。
※作品コンディション:イメージ部分は概ね良好ですが、シート周辺に経年の黄ばみが観られます。
額も良好です。
画像でご確認下さい。
小田 襄(おだ じょう)1936-2004
1936年東京生まれ。父は日展会員の彫刻家小田寛一。1956年東京芸術大学美術部彫刻科に入学(60年卒業)、菊池一雄教室で学ぶ。1959年第23回新制作協会に「裸」で初入選。1960年若林奮、高松次郎らと「20代作家集団」を結成して作品展を開催し、鉄鋳物とブロンズの作品を出品する。1963年初個展「閉ざされた金属」(スルガ台画廊)を開催、第1回全国野外彫刻コンクール展で宇部市野外彫刻美術館賞を受賞。1966年頃から久保貞次郎のすすめで本格的に版画(木版、銅版、リトグラフ他)を始める。メタリックリーフ・プリントと呼ばれる独自の技法による版画を制作し、第7回東京国際版画ビエンナーレ他に出品した。版画制作は立体造形と並行して生涯続けられたが、初期の版画はドローイングを主とし、次第に幾何学的形象を持つ明快な色面を構成する作品へと移行した。
1983年神奈川県立近代美術館で「小田襄展・彫刻と版画」開催。 彫刻の素材は金属に絞られるようになり、鏡面のような表面を用い、周囲の風景や光の変化によって表情を変える作品を制作した。量塊性や、立体としての自立性を求めてきた近代彫刻の流れに対し、作品に色彩や鏡面を導入して立体造型に新たな一面を開いた。 1974年第4回神戸須磨離宮公園現代彫刻展、1979年代第1回ヘンリー・ムーア大賞展などで受賞を重ね、1977年中原悌二郎賞優秀賞を受賞。1984年現代日本彫刻展(神戸須磨離宮公園)で大賞受賞。
世界各国の国際彫刻シンポジウムに招かれ、1988年ラヴェンナ国際彫刻ビエンナーレで金メダルを受賞するなど国際的にも注目された。 1983年より90年まで東北工業大学教授、1990年より多摩美術大学教授をつとめ後進の指導にあたった。2000年日本美術家連盟理事長に就任、美術家の職能と社会的位置の擁護のために尽力したが2004年死去、享年67。
(出典:ときの忘れもの)