20240500 - 1931年 フランス領インドシナ 漢字地名入り地方局(POSTE RURALE)「盛興」印押し域内宛エンタイア
南部仏印(コーチシナ)で使用された漢字入り地方(ルーラル)消印が押されて差出されたカバーです
コーチシナの中核都市であるCANTHO郵便局の「地方局」扱いとなっている「盛興(タンフン)」局差出で、同局引き受け時この漢字地名入り郵便印で押印後、まずは近郊のPHUNG HIEP(フンヒエプ)の正規郵便局に運ばれそこで中継引き受けの日付印が押されています
その後本局であるCANTHO局に運ばれて、そこで日付印が押されたのち配送されました(本品は宛先自体もカントー市の役人宛)
仏領インドシナの地方印は、同地の地名がかつてはすべて漢字表記されていたことをあらためて思い起こさせてくれる興味深いアイテムだと思います
同様の「地方局印」でもカンボジアエリアなどでは漢字表記が無かったため、現在のベトナムエリア(トンキン・アンナン・コーチシナ)の漢字入り地方局印収集は、その希少性と合わせて人気ある収集対象となっています
POSTE RURALE PROVINCE CANTHO THANH HUNG (盛興~タンフン)- 黒印
PHUNG HIEP 3 -8 31 COCHINCHINE 中継引受印
CANTHO 4 -8 31 COCHINCHINE 引受印
Yvert #103, 127(計5c貼)
*状態の良いカバーです
こうした地方印は、本品のように引受時に切手抹消用に使われる場合と、あくまで引受印として封筒に押されたうえで切手は本局の日付入り郵便印で抹消される場合とがあり、それぞれの局により対応が異なっていたようです