【 幻の先代元詰め 】
現在もそのワインもしくはブドウの6割以上を「メゾン・ルロワ(マダム・ルロワ)」や「ドミニク・ローラン」等の超優良生産者に供給してしまう為、ドメーヌ元詰めワインが市場に出回ることが殆んどない、「幻」と呼べるほどのドメーヌ元詰めワインの出品です。
ブルゴーニュ好きは決して見逃してはいけません。
黄金の丘「コート・ドール」、ヴォルネイの地で17 世紀から続く由緒あるドメーヌの「ベルナール・エ・ティエリー・グラントネィ」。現当主ティエリーの祖父で、長年ヴォルネイ村村長を務め上げたルイ・グラントネィ の代の1950年代後期からドメーヌ元詰めをスタートしました。
1980年のルイの他界後は、ベルナール(現当主ティエリーの父)がドメーヌを運営。2001年にティエリーがドメーヌに参画。ベルナールの引退に伴い2005年に当主に就任します。
ティエリーはドメーヌのワインの品質を飛躍的に高め、ブルゴーニュワイン専門誌『ブルゴーニュ・オージョルデュイ』で、二度に渡り『ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー』に見事選出。ワイン・アドヴォケイトでも『ブルゴーニュの注目すべき生産者ベスト10』 に名を連ねるなど、一躍ヴォルネイのトップ生産者に登り詰めます。
ドメーヌは現在、ヴォルネイ、ポマール、ピュリニー・モンラッシェの3つの村に17区画、計8haの畑を所有します。殆どの区画がヴィエイユ・ヴィーニュ(古木)であり、しかも「コント・ラフォン」や「ジャン=マルク・ボワイヨ」「プス・ドール」「リュシアン・ボワイヨ」といった超一流ドメーヌの区画に隣り合わせる最高の畑を所有しています。
代々受け継いできた素晴らしい畑の平均樹齢は50 年。最高樹齢が95年に達する区画も存在します。ティエリーは、この遺産とも呼べる貴重な古木を常に良好な状態で維持・永続させていくために、細心の手間と知恵を惜しみなく傾けて畑を管理しています。
また今回のおすすめポイントは、何と言っても1990年である事。
1990年は、ブルゴーニュの赤ワイン史上稀にみる超秀逸年。雨量が少ない影響で収穫量は低く、暑い気候の影響で糖度の高い旨みの乗った良質ブドウが育った超秀逸年なのです。
それ以前の超秀逸年を探すとなると、1969年にまでさかのぼって探す必要がある為、現実的にはほぼ不可能。
この1990年のグラントネィは、《幻の先代元詰め》ワインであり、なお且つ超秀逸年の飲み頃を迎えた1本であることにお気づき頂けるでしょうか・・・
ヴォルネイ“サントノ”、ヴォルネイ“クロ・デ・シェーヌ”と、このポマール・プルミエ・クリュ・“ソスィーユ”の3種のキュヴェが毎年ルロワによって買い付けられています。
マダム・ルロワとドミニク・ローランは、ティエリーに絶大な信頼を寄せているため、ワインはすぐには引き渡されず、グラントネィのカーヴで6~8か月の熟成を経た後に(収穫翌年の春、マロラクティック発酵を終わってから)引き渡されているのです。
34年の時を経た今、数々のブルゴーニュを飲んで来た舌の肥えたワインラヴァーの舌をも存分に楽しませてくれる至極の1本です。
グラスに注ぐと、赤果実のチャーミングな果実香に加えて、スミレやなめし革の複雑なニュアンスが広がります。瑞々しい果実味と滑らかなタンニンが見事に溶け合い、しっかりとした旨味が感じられる味わいです。余韻は気品に満ちており、ピュアなピノノワールの美しさが存分に表現されています。