DENON POA1000Bの出力管をオリジナルの6GB8からドイツの銘玉、EL-156に換装するという大改造を行ったものです。
元々、6GB8は日本版EL-156といったスペックの球で、バイアス値等、同じ電圧で動作します。
改造は15年ほど前に行い、その際にコンデンサーおよびワット数の大きな抵抗は総入れ替えしています。
特にB電源平滑用のコンデンサーはB電圧が600Vのため、元々は350Vのものを直列に2階建てにしてありましたが、フィルムコンデンサーで耐圧630Vのものに交換、整流ダイオードはショットキーバリアダイオードに交換しています。これらは音質向上にとても効果がありました。
スクリーングリッド抵抗等は動作を見て、多少変更しています(6GB8より電流が流れやすいので)
EL-156のソケットは最近あまり見ないテフロン?製の上質なものです。
ネットでこのアンプの故障・修理例を検索するとプリント基板のパターン劣化が多いようです。信号回路は短いパターンになっていますが、バイアス回路のパターンが割を食って長く引き回されています。そこでこれらの部分は配線で2重化しています(信号回路とは違うので、これをしても音が変にはなりません)
発熱が大きいため、PC用の静音ファンを取り付けていますが、これはネジで止めているだけで簡単に外せます。1m以内だと少しファン音が聞こえます。またそこそこ発熱量が大きい12BH7と6RA3には放熱フィンを付けています。
と書くと「魔改造」に思われて不安を感じられると思いますが、それは自作アンプでも条件は同じかなと思います。
何より改造してから15年間、正常に動作していますので、その点でも安心できるかと思います。
といくら言っても不安はあると思いますので、落札者様と連絡先交換してその後のトラブル対応はさせていただこうと思います。
(遠距離の訪問対応は交通費負担をお願いします)
EL-156はプレート損失が50Wあり、PPで100Wが楽に取り出せますが、出力トランス・電源トランスの関係でその定格を出せるアンプを作るのはかなり困難かなと思うのですが、さすがにDENONは素晴らしいトランスを使っています。
外観は長く使っているのに目立つ傷は少なく、かなり美品かなと思います。
使用真空管はECC83×3(2本が初段、1本は安定化電源用)、12AT7×2(位相反転)、12BH7A×2(ドライブ管)、6RA3(安定化電源用)、EL-156×4(現在3本がTELEFUNKEN、1本がSIEMENSと変則的なことになっていますが、問題なく動作しています)
取扱説明書および回路図が付属します。
音質は意外に力で押す感じではなく、端正で分解度の高いものです。私が他に使ったアンプの中ではMarantz9に似ていますが、もっと繊細です。聞いた話では、このアンプの設計者はMarantz9を意識していたという話です。
重さが34Kgあるため宅配便では送れず、家財引っ越し便を使おうと思います。都内へは3400円ほどでした。業者との調整のため発送まで数日お願いします。着日時指定はできます。
(2024年 4月 22日 13時 13分 追加)私の書いている端正・分解度が高い・繊細というこのアンプの特徴は改造の結果ではなく、元々のキャラクターです。
修理業者の人がオリジナルの物でこのように書いています。
「エージングしながら音を聴いた印象ですが、デザイン通り非常に透明感のある清楚な音で、静粛の中から一音一音をしっかり出す感じです。 帯域も出力トランスを介していると思えないほど広い印象です。40年前のアンプですが、こんなに素晴らしい音だったのかと改めて驚かされました。」
真空管と高音質部品のアムトランス (seesaa.net)
EL-156換装ではこれが更に説得力を増しました。UL接続もせずにそのまま5極管接続しているのですが、決して・決して粗い音ではありません。かつてノイマンのカッティングマシーンでEL-156のパラプッシュで200W出力のものがありました。昔のレコードでそれでカッティングされたものがけっこうあるのですが、音が粗ければカッティングマシーンには不向きですよね。
NEUMANN ノイマン WV2a LV60 GV2a レコードカッティングマシン用 パワーアンプ TELEFUNKEN EL156 EF804S E80CC ゴールドピン□a3686-Baの落札情報詳細 - ヤフオク落札価格検索 オークフリー (aucfree.com)(2024年 4月 30日 12時 07分 追加)保守用に持っていた6RA3および12BH7Aがありましたので、お付けします。
共に信頼性の高い通測用で、おそらく未使用品です。