弁証法の冒険 / M.メルロ=ポンティ 滝浦静雄 ほか共訳 [みすず書房]
われわれがつい最近のこととしてたどってきた〈弁証法の冒険〉とは、弁証法が--それは
原理的に多くの中心と多くの入口をもった思想であり、そのすべてを究めるには時間が必要
なのだからーー当然経験しなければならぬ自己誤認のことである。マックス・ヴェーバーは、
文化という名のもとに、あらゆる歴史の最初の凝集力を再発見していた。ルカーチは一個の
現前する現実、すなわちプロレタリアートのうちにあらゆる意味が再発見されるときに、
みずからを閉ざすような一つのサイクルのうちに全歴史を閉じこめることができる、と信じていた。
だがこうした歴史的事実は、それがまず哲学的意識によって「用意され」ていたからこそ、
またそれが否定性の象徴であるからこそ、普遍的歴史を回復するのだ -P282「終章」より
発行:1972年 初版 発行所:みすず書房 表示価格:\1,800
状態:カバー汚れ・傷み、三方ヤケシミ、裏見返しに蔵書印、サイン
本文は経年ヤケ若干あるものの、折れ・書込み等は見当りません
※古本であることを理解のうえご入札ください。