長岡鉄男氏考案のダブルベース・ミニを、ケンウッドのLS‐VC5を流用して作ってみました。
エンクロージャーは側板がホモゲンホルツ、バッフルは樹脂製、裏板は新たに杉材よりも響きが優れている12mm厚の杉の焼き材の無垢材で造りました。長岡氏のオリジナルが2.6リットル・バスレフに10cm2個なので、ほぼ同じサイズです。
前の12cmウーファーは、オリジナルのケンウッド。コーン紙は樹脂製、センターキャップは布製、エッジはゴム製ですが劣化の兆候はありません。マグネット部は径94mm厚さ32mmの超弩級サイズの防磁型、インピーダンス6Ω、最大入力は30Wです。
後ろはソニーのSS‐V900AVから取り外した12cmフルレンジ。コーン紙は紙製、センターキャップも紙製、エッジは布製で劣化の心配はありません。マグネット部は径80mm厚さ34mmの、こちらも超特大サイズの防磁型、インピーダンス8Ω、最大入力は50W,システム100Wとなっています!
20mmハードドーム・ツィーターもソニー製。ダイヤフラムは樹脂製、マグネットは径31mm厚さ6mmのフェライト・マグネット。インピーダンスは6Ω、最大入力は不明です。3.3μFを挟んで、クロスオーバー周波数は5.6kHz辺りです。
前のウーファーにパラレル接続した2Ω10Wのセメント抵抗を挟んでパラレル接続し、システムインピーダンスは4Ωです。吸音材は2面のみ、フルレンジとターミナルの間は16AWGもの太いケーブルで繋ぎました。
試聴では、ペダルトーンで埋め尽くされているJ.S.バッハのペダル練習曲BWV598(手持のテストCD;トン・コープマン:1734年製ミュラー・オルガン;アムステルダム;最低音36Hz)を、見事なバランスで鳴らしました。この曲は勿論足鍵盤の練習用でもありますが、当時最高のオルガン・コンサルタントでもあったバッハが、すべてのパイプがちゃんと鳴っているかどうかのチェックをするための曲でもあり、スピーカーにとっては、低域に変なピークやディップがないかどうかのテストとしても使える便利な曲です。もちろん変なピークやディップはありません。
本格的試聴では、J.S.バッハの前奏曲とフーガハ短調BWV546(手持の最強テストCD;トン・コープマン:ミュラー製作オルガン1734;最低音32Hz)の最初のCのロングトーンを、かなりの大音量でもしっかり鳴らしました。前作8cmX2個240Wに比べると、容量が小さい分、やや低能率です。
バッハの最高傑作、前奏曲とフーガハ短調BWV548(手持のテストCD;トン・コープマン:1692年製シュニットガー・オルガン;フローニンゲン:最低音36Hz)の方は、更なる大音量でも見事に鳴らし切りました。
オーケストラは準指向性の効果もあり、見事な音場感です。
外観は遠目には概ねキレイですが、小傷が幾つか有ります。無垢材は濃いめのニス仕上げです。
重さ3.9kg程、サイズは24×15×23cmです。