3冊セット 本文は良いと思います。
釈尊の原始仏典『ダンマパダ』を私なりに解釈して著(あらわ)しました。
『ダンマパダ』は世界中でさまざまな言語に訳されており、いろいろな方々がネット上で自分の訳したものを公開されています。
その中の複数の英訳を見比べながら、私なりに独自の解釈で現代の日本語に『ダンマパダ』を置き換えてみました。
原始仏典の解釈を始めてすぐに感じましたことは、釈尊のほんとうの言葉とされる初期の仏典である『ダンマパダ』には、老子が著した
叡智(えいち)のエッセンスが散見されるということでした。
訳を進めるうちに、中国からインドへ放浪の旅で辿(たど)り着いた老子が、王宮の中で幼き王子釈尊に宇宙の森羅万象(しんらばんしょう)を教授したという夢想が、
私の中では具体性を帯びた真実へと変化していきました。
ほぼ同じ時代に生きたと思われます、老子と釈尊という人類の叡智を代表する二大巨人が実は師弟関係だったと仮定しますと、
人類の文明の流れに壮大な神様の計画が見え隠れする気がいたします。
ただ老子の場合は、その深遠な言葉があまりにも崇高で巨視すぎて、「わかる人だけに伝えておく」という少数者への語りかけであるとも感じていました。
それは、高級官僚として勤務しながら学問を究め、独りで思索を深めていった老子らしいと言えます。
ところが釈尊の場合は、一人でも多くの困る人々を、何とか良き方向に導きたいという思いを、その教えの端々(はしばし)に感じました。
釈尊の言葉は、現代社会でも十分に通じる教訓と示唆と愛情に満ち満ちています。
釈尊の言葉の奥には、聖人である老子も存在すると思いながら、繰り返し三度以上は読んでいただければ幸いです。
読み返すたびに新しい発見があり、読後の印象が変わることでしょう。