インドネシア・ティモール島のアンティーク木笛(F)
小スンダ列島の東部に浮かぶティモール島は、かつて白檀の産地として、欧州列強の植民地化の餌食となりました。東側はポルトガル領に、西部地域はオランダ領にと、それぞれ分断の歴史を歩まざるを得ませんでした。この細長いサツマイモのような形をした島は、白檀を“薪(たきぎ)”として使用したと言われるほどの、その昔は“チェンダナ(白檀)”が豊富でした。しかし、そのティモール島は一方で、プリミティブ・アートの産地としてもよく知られてきました。大きくはありませんが、その独特の木彫り人物像、すなわち祖先像によって、祖先信仰が長い間続けられてきたのです。写真の木笛は、数十年前まで、島に暮らす牧童らが家畜を呼び集めるための笛として実際に使用していたものです。サイズは、長さが約21.5cm、最大直径2.8cm、重さはおよそ48グラムです。開口部に唇をあてて吹くと、簡単に牧歌的な音色を出すことができます。また、底に開いている小さな穴を指先で調節することによって、音階を変化させることも可能です。
(注)三枚目の写真からも明らかですが、一部分、木の節に当たる部分、モチーフが彫りこまれていません。予めご了承お願いします。
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