商品をご覧くださいまして、誠にありがとうございます。猫又の根付けを制作いたしましたので、出品いたします。
こちらの商品は私が制作いたしましたので、古いものではございません。ご入札の際には何卒ご注意ください。以下、商品の説明を記載いたしますので、是非お読みください。
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猫又、もしくは猫股とは、日本に伝わる猫の妖怪です。民間伝承や、古典怪談、随筆などに登場し、古くから人々に親しまれてきました。
よく長年飼っていた猫が化けて猫又になる、という説を目にしますが、これは登場する作品により異なり、山中に古くから住み着いているものと、人家の猫が歳月を経て神通力を得て化けるものと、二通り種類があるそうです。いずれの場合にしても、人に対しては親しい存在ではないようで、その老獪により人を惑わしたり、食い殺したりするそうです。
西洋においても猫は不吉な存在とされていたようなので、洋の東西を問わず、人は猫の可愛らしい仕草や表情の中に底の見えない不気味さを見ているのだと思います。そのようなな不気味さが妖怪として現れたものが、猫又なのでしょう。
そのような猫又ではありますが、とはいえ可愛らしい猫の姿をしているということもあるせいか、絵などに描かれる場合には、コミカルに描かれているものも多くあります。
佐脇嵩之(さわきすうし)の描いた『百怪図巻』という妖怪をモチーフにした絵巻には、赤い着物を着て三味線を弾く猫又が描かれています。瞳を閉じ草むらに腰掛けながら、感傷にひたるように三味線を爪弾く様子は、どこか物悲しくもあります。三味線は、猫の皮がその材料に使用されることがあるようですので、佐脇の猫又は三味線にされてしまった仲間を思いながら、三味線を弾いているのかもしれません。
今回の根付けは、そをな佐脇嵩之の猫又を参考に、三味線を携えた猫又にしてみました。
猫又の身体の部分を磁土で、着物と三味線をアルミで鋳造し、アルミ部分は漆を焼き付けて仕上げました。三味線は細い形状の部分が多いので、糸巻きの根元には補強と面白みを持たせるためネズミを添えました。帯留はネズミの顔を造形し、音緒は猫の手の形にしてあります。細かい部分も作り込むようにしました。
顔や身体は佐脇の猫又同様三毛猫模様にしました。色の異なる粘土を使い色味を出すようにしました。鼻先と後脚の肉球は薄桃色の上絵の具で描き込んでおり、猫らしい可愛らしさを感じることができるようにしました。目はスズを嵌め込み、金箔を押して仕上げてあります。
丁寧に作り込みました猫又の根付け、この機会に是非いかがでしょうか。
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寸法: 65×30×30mm
素材:アルミニウムに漆焼き付け、磁土、金箔
付属品:供箱、ウコン布